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生きものこぼれ話 令和7年度「杜の都の生き物語〜清流の歌姫カジカガエルの観察会〜」を開催しました

投稿日:2025年06月24日(火)

令和7年度「杜の都の生き物語〜清流の歌姫カジカガエルの観察会〜」サムネ
梅雨入り前の恒例イベント「杜の都の生き物語〜清流の歌姫カジカガエルの観察会〜」を開催しました。夕暮れ時の青葉山エリア・竜の口沢で体感するカジカガエルの声とは……!?

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土曜の夕方、参加者のみなさんが青葉山公園内の仙臺緑彩館前に集合しました。環境共生課による開会あいさつのあと、当日の講師であり水辺の生きものがご専門の棟方有宗教授(宮城教育大学)のお話を伺います。

仙臺緑彩館前での開会式
仙臺緑彩館前での開会式

棟方有宗教授
棟方有宗教授


棟方教授から、観察会場となる竜の口沢(竜の口渓谷)や広瀬川のあらまし、それらが仙臺城の天然の要害として機能していたこと、昭和初期には青葉山公園エリアが陸軍の射爆場だったことなど、歴史も踏まえたお話を伺ったあと、最初の水辺・長沼に向けて出発します。

三の丸跡を囲む水堀・長沼
三の丸跡を囲む水堀・長沼


仙臺城跡周辺の水辺は、両生類やは虫類など水辺の生きものにとって貴重な環境。長沼に着くと、水辺の環境指標種(その場所での存在具合から環境条件を推し量れる種のこと)のひとつ、カゲロウが一斉羽化を迎えた直後だったようで、無数に飛んでいました。

生涯のほとんどを幼虫として水の中で過ごし、残り時間のほんのひとときで水から出て成虫となり繁殖を行って一生を終えるカゲロウ。「儚さ」の象徴のように語られることもありますが、羽化後に残されたわずかな時間すべてを次世代を残すことだけに費やすカゲロウたちの姿からは、むしろ命をつなごうとする種としての強い意志を感じました。

手で採れるほどたくさんいたカゲロウ
手で採れるほどたくさんいたカゲロウ

その後は、竜の口沢を目指してひたすら南に進みます。夕暮れ時から渓谷を目指す散策にわくわくしている参加者さんも。
けっこう険しい本丸周りの断崖
けっこう険しい本丸周りの断崖

街灯がつき始めた
街灯がつき始めた

こうして、日没時刻の少し前には目指す竜の口沢の観察フィールドに到着しました。まだ若干明るく、野鳥の声も聞こえているので、棟方教授に質問をしたり周囲を観察するなどしながら、しばし思い思いに過ごします。
棟方教授への質問タイム
棟方教授への質問タイム

今回のテーマ、環境省「残したい日本の音風景100選」にも選ばれているカジカガエルの鳴き声ですが、音源等での「予習」はあえて行わずに現地にやって来ました。「オスのシカに似た鳴き声を発し、川に棲むカエル」という意味で名付けられたその声とは……? 期待がふくらみます。

そうして静かに待っていると、ほぼ日没時刻の午後6時50分頃……ついに聞こえてきました。まるで鳥のような、不思議で涼やかな声が、沢のほうから立ちのぼるように聞こえてきます。

鳴きだしました!
鳴きだしました!

さらに5分後にははっきりと、沢のあちらこちらからカジカガエルたちの声が届き始めました。
目を閉じて全身を耳にして、自分が沢や森に溶け込んでいくような感覚をおぼえながら神秘的な歌声を堪能しました。

当日は、残念ながらカジカガエルの姿そのものを見る事はかなわなかったのですが(ビジュアルについては本記事タイトルの画像をご参照ください)、街灯の無い渓流のほとりに夜のとばりが降りていくなか、彼らの妙なる響きは続きました。「彼ら」と呼ぶのは、鳴くのがオスのみだからです。

眼下に清流が!
眼下に清流が!

棟方教授によれば、このあたりは広瀬川本流の5倍の密度でカジカガエルが活動しているスポットとのこと。参加者の方々から、そんな特別な場所が、仙台市の中心部から直線距離にして1〜2km程度の地点に存在していたことに感銘を受けたといった感想をいただきました。

ちなみに、こんなに街の近くでカジカガエルの声を聞くことができる百万都市は仙台だけだそうです。恵まれた自然と都市の利便性とが絶妙なバランスで共存しているのが仙台という街なのですね。

カジカガエルの声を堪能したあとは、街灯のある場所まで戻り、閉会式を行いました。
棟方教授からは、「今日、みなさんはカジカガエルの鳴き声を覚えたので、今度はぜひ、他の清流でも鳴き声を探してみてください。広瀬川でもけっこう聴けるはずです」とのメッセージをいただきました。

カジカガエルの繁殖期は7月まで続き、夕暮れ時から鳴き始めます。また、仙台市では、市民のみなさんから寄せられたカジカガエルの生息確認地点をまとめたマップもご用意しています(下方の案内参照)。
ぜひ、みなさんも、この奇跡の歌声を体験されてみては。

電灯の下で閉会式
電灯の下で閉会式

The 清流
カジカガエルお墨付きの清流・竜の口沢

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インスタグラム(sendai.kankyo)で当日のカジカガエルの鳴き声などを紹介しています。
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□仙台市環境局/杜の都スタイル
清流の歌姫 カジカガエルの観察会


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カジカガエルに関する音源や情報サービスについてのお知らせです。
環境共生課のサイト「WEBたまきさん」では、繁殖期に録音されたカジカガエルの音源データを公開しています。
竜の口沢や、新川、秋保など市内各地で観測された鳴き声の「聴き比べ」ができるほか、スマートフォンの着信音など私的利用も可能です。


■生きものが奏でる音風景(音源ダウンロード)

※ハイレゾやMP3など、データ形式が選べます。

併せて、市民の皆様から寄せられたカジカガエルの情報をまとめたマップも公開しています。身近な広瀬川での生息情報も一目瞭然! 下記のリンクから、ぜひご覧ください。

■生きもの生息地マップ
カエルマークでカジカ生息地がわかる
カエルマークをクリックするとカジカ生息地や確認時の情報が

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《こちらもどうぞ》

◇生物多様性保全推進事業 〜感じる、つながる、杜の都の生き物語〜
⇒仙台市では、仙台に関わりの深い生きものに着目したさまざまな取り組みを行っています。

◇生きものが奏でる音風景(音源ダウンロード)
⇒カッコウ、スズムシ、カジカガエルなど、市内各所で採録された音風景をお楽しみください。スマートフォンの着信音やアラーム音などの私的利用にご使用いただけます。

◇生きもの動画チャンネル
⇒仙台市の虫「スズムシ」や日本一美しい声で鳴く「カジカガエル」などの生きもの動画。

◇生きもの生息地マップ
⇒市内のカジカガエル生息地を公開。情報も募集中!

□仙台市環境局公式Instagram□
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