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「手製本を学ぶ〜手漉き和紙で小さな本『袖珍本』を作る〜」を開催しました。

投稿日:2025/03/05

このイベントは終了しました。

たまきさんサロンスタッフです。
2月16日(日)に和綴じ製本作家のながさわ ゆうこ先生を講師にお迎えして、「手製本を学ぶ〜手漉き和紙で小さな本『袖珍本』を作る〜」と題したサロン講座を開催しました。
ながさわ先生は、仙台市内をはじめとした近隣の文化施設において、本の修理や和綴じの技術を多くの方に知ってもらうための講座や講習会を数多く開催されています。


「袖珍本(しゅうちんぼん)」とは、あまり聞き慣れない名称ですが小型の和綴じ本を指す呼び名です。版型(書型)で言えば、「特小本」に分類され、だいたい120mm×90mmの大きさになります。
江戸時代には、着物の懐や袖の中に入れて持ち歩き、手頃な一冊として使われていたようです。
今回は、2月9日に開催されたサロン講座「手漉き和紙ワークショップ〜和紙を学ぶ〜」で制作した手漉き和紙を表紙と中身に使って、この「袖珍本」の製本に挑戦しようという、材料面で2つの講座が連携した企画になっています。




まず先生から用語の解説と計画の立て方の説明がありました。四ツ目綴じの場合、綴じ目側が「背」、反対折り目側が「小口」となります。今回作る「袖珍本」の大きさを考えて、本紙を無駄なく裁断する計画を立てて作業を開始します。
今回の中身の用紙には、2月9日実施の講座の講師である塚原さんから500mm×600mmの5匁楮紙を用意していただきました。
手漉き和紙の講座で漉いたハガキサイズの紙をそのまま表紙にするため、この大きさに合わせて中身を裁断すると本紙は9枚になります。本来の「袖珍本」サイズよりは少し大きくなります。


今回の制作工程は、大きく三つに分けられます。
@大きな大きな和紙(原判)を、中身に合った大きさの紙に切り分ける
A「こより」を使って中綴じをし、中身をつくる
B中身と表紙を合わせて絹糸で本綴じする
中身には楮(こうぞ)を手漉きした和紙を使います。参加者の皆さんがご自分で紙漉きをされた表紙と合わせることで、オリジナルな作品に仕立てられます。

【本紙を裁断する】
1. 短辺を3等分(166mm)して、目打ち点を打つ
  軽く半分に折り、対辺を合わせて目打ち点を移す
  点同士を結んで折る。目打ち点をきちんと合わせることが重要
  折り目に沿って、ペーパーナイフで「荒裁ち」する
2. 長辺も同様にして3等分に裁つ
    今回は紙の大きさを最大に活かすため、2の三等分の段階で幅200oに化粧裁ちしました。



1.2の作業は手製本を学ぶ上で最も基本的かつ重要な工程です。

荒裁ちは、カッターナイフでは切れ過ぎるので、竹の割きへらやペーパーナイフを使います。


集中して細かい作業に黙々と取り組む参加者の皆さん

【休憩】
今回は先生の作品群と、とても珍しい「縮緬本(ちりめんぼん)」を見せていただきました。
明治時代に作られた絵本で、日本の伝説や昔話などを題材にした日本土産として外国人向けに作られた和製本です。和紙に木版多色刷りし、外国語の解説文を印刷、縮緬状の非常に柔らかい風合いに仕立てた和綴じ本のことです。
和製本の世界はとても奥深く、まだまだ知らないことがたくさんありますね!



【中綴じ】
1. 9枚になった紙を一枚ずつ二つ折りにする
2.「小口(折り目側)」と「背(断ち辺側)」を揃えて重ね、小口から背に帯をかけてよく突き合せて整える
3. 背側に、中綴じ用の穴二つを目打ちで二ヶ所に開け、こよりで綴じる
4. 表紙の寸法に合わせて、天・地の辺を化粧裁ちする

 

【本綴じ】
1. 表と裏に表紙をのせて、天から地に帯をかける
2. 四ツ目綴じなので、4か所の穴位置を割り出し、目打ちで背側に穴を開ける
3. 三本縒った絹糸で糸綴じ(大和綴じ)する


先生お手製の糸綴じ模型!

お手本通りにやっているつもりでも、最終工程の糸綴じの一連の流れは難しかったようです。

完成です!
紙漉き講座から製本講座まで、長い時間をかけた細かい手作業の連続でしたが、参加者の皆さんもきれいな袖珍本を作りあげることができました。自分だけの美しい仕上がりの本を手作り出来たことに、皆さん感動されていました。

草木染めの原料となる「アカネ」の根で色付けされた手漉き和紙を表紙に使ったことで、薄い茜色の柔らかい感じが、素朴な色合いと手触りの良さを引き出している素敵な作品に仕上がりました!
このまま大事に飾っておきたいところですが、「袖珍本」本来の使い方で様々な機会にご活用していただければと思います。ちなみに、和紙に書く場合は4Bくらいの柔らかめの芯の鉛筆が良いそうです。
和製本は、表紙を外して中身だけ新たに仕立て直すことや表紙をかけ替えることが可能なとてもエコな技術です。紙漉きの技術を絶やさないためにも、生産者から消費者に繋がる一連の流れは大切に守っていきたいものですね。
今回の連携講座を通して、伝統的な技術を生かした「和紙」の製造から一つの製品が出来上がるまでの工程を、実際に体験しながら学べたことはとても有意義でした。


講師のながさわ先生、そして「手すき和紙工房 潮紙」代表の塚原英男さん、ありがとうございました。
また、両講座にご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。



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