サロン講座
「仙台七夕の由来と再生紙〜8万羽の折り鶴のゆくえ〜」を開催しました。
投稿日:2023年07月09日(日)
たまきさんサロンスタッフです。
7月2日(日)にサロン講座「仙台七夕の由来と再生紙〜8万羽の折り鶴のゆくえ〜」を開催しました。
仙台七夕飾りを手掛けている明治16年創業の鳴海屋紙商事株式会社の営業部長 鳴海 幸一郎さんにご登壇いただき、七夕や仙台七夕の歴史や由来、七つ飾りに込められた願い、作り手の想いや【伝説の飾り】が再生紙に生まれ変わる過程を教えていただきミニ七夕飾りも作りました。
さっそく、ミニ七夕飾りづくりです。
さて、七夕のお話…
七夕祭りは中国の乞功奠(きこうでん)という星祭りに由来し、中国から日本の京都・奈良に伝わり、宮中行事として約450年前に豊作と技芸上達を祈って伊達政宗公が京都から仙台に伝えたといわれています。
七夕は、七つ飾りと呼ばれる道具の装飾で飾られます。
一つ、吹き流し
二つ、折り鶴
三つ、短冊
四つ、紙の着物
五つ、投網
六つ、屑かご
七つ、巾着です。
それぞれの飾りに込められた祈りも教えていただきました。
「この七つ飾りには、大人の長寿や子の健やかな成長を願い、食べ物や道具に感謝をし、道具は責任をもって最後まで使い切ることで無駄遣いを防ぎ、正しいお金の使い方を身に付ける素敵な大人になってください。七夕さんの行程を経ていくことで願いや想いやモノが循環しているのではないか」と鳴海さんはおっしゃいます。
仙台七夕は吹き流しの上部に、「くす玉」を飾ります。
全国約66か所で七夕祭りが開催されていますが、「くす玉」がついていない吹き流しの七夕祭りは京都から伝わった伝統を守っている祭りだそうです。
「くす玉」飾りを編み出したのは仙台人です。
『質素、倹約』を謳った七夕さんから、『しっかりと生き抜いていく力となるもの、皆を元気づけられるもの』として戦後、豪華絢爛なものが生み出されたのだそうです。
昭和の時代、七夕祭りは仙台市近辺の各家庭で行われていました。
新聞紙や広告を使って飾りを作り、畑の芋の葉等に溜まった朝露で墨をすり短冊を書き飾っていました。
七夕飾りは先祖をお迎えする目印の役割だったそうです。
七夕飾りごと広瀬川に笹を流し、お清めをしてお盆の準備をしたのだそうです。
その後、仙台市全体が七夕まつりを盛り上げるため様々な工夫をしていました。
ミス七夕パレードや動く七夕、白バイ七夕パレード、七夕音頭等など盛り沢山でした。
仙台七夕の飾りつけや撤去の様子も教えていただきました。
すごい迫力です。みなさん動画にくぎ付けでした。
撤去された七夕飾りを支えた竹は分別し、焼却の際の燃料や今は活動を休止しておりますが当時は『竹紙』として復活した事もありました。
今日の資料はその当時から残ってた貴重な竹紙です。
七夕には「歴史」があり、東北大震災前の仙台七夕には「伝統」、震災後の仙台七夕には「伝説」があると鳴海さんはお話しされました。
ひとつの短冊に書かれた願いごとがきっかけで、仙台市立の小中学校に通う児童生徒による故郷復興プロジェクトの折り鶴【伝説の飾り】も『再生紙』に生まれ変わることになったそうです。
「これはお焚き上げで済ましてはならない」と8万羽に込められた祈りを子どもたちに返したいとの想いから活動が始まりました。
子どもたちが祈りを込めた折り鶴が仙台七夕で祭られ、その後、たくさんの子どもたちや裏方さんの手で分別され『再生紙』として生まれ変わり、卒業証書や入学式・卒業式の要覧などに形を変えて、再び子どもたちのもとへ戻っていきます。
端紙のお土産もいただきました。
色味がそれぞれ違い一枚たりとも同じ柄はありません。
仙台七夕まつりは8月6日〜8月8日に開催されます。
七夕や仙台七夕の歴史と由来、飾りに込められた願い、作り手の想い等、鳴海さんのお話を聞いた後でご覧になる「仙台七夕まつり」は、いつもと少し違った感動を得られるのではないかと思います。
鳴海 幸一郎さん、ご参加頂いた皆さま、ありがとうございました。
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