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生きものこぼれ話「ハクビシン 〜市街地に現れる かるわざ師〜」

投稿日:2024年10月07日(月)

生きものこぼれ話 ハクビシン

仙台市内で出没情報が増加しているハクビシン。かわいい見た目にそぐわず、さまざまな被害をもたらしています。いったいどんな生きものなのでしょうか?
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鼻から頭頂部にかけて通った白いラインがその名の由来となったハクビシン(和名:白鼻心)。
タヌキ(イヌ科)やアライグマ(アライグマ科)と間違われることも多いのですが、ジャコウネコ科の野生鳥獣です。
一目見たら忘れられない白いライン
一目見たら忘れられない白いライン

成獣の全長(鼻から尾の先まで)は約70〜110cm、体重3〜4kgほどでネコよりやや大きめです。


尾の長さが胴の長さと同じぐらい

尾が細くて長く、全長の約半分ぐらいを占めます。
顔の白ラインとこの細長い尾が、タヌキ、アライグマ、アナグマ等と区別する際のポイントになります。

ハクビシンの被害のひとつに、家屋の天井裏への侵入・営巣による糞尿や臭気の被害、家屋の汚損、場合によってはそれがヒトの健康被害に結び付く場合もあります。
そもそも、なぜ天井裏や屋根裏に侵入するのでしょうか? そのヒントはハクビシンの生態と身体能力にあります。

◆◆

ハクビシンは本来、樹上を中心に暮らす生きものです。
基本的に夜行性で、昼間は樹の洞穴や洞窟、人家の屋根裏や倉庫などをねぐらとして過ごします。ハクビシンは自分で穴を掘ることはしませんが、タヌキ等が掘った穴に棲みついたりもします
高いところが好き
高いところが好き

身体能力が高く、樹の上り下りは大得意。家屋の雨どいなども登ってしまいます。また垂直ジャンプも得意なので、ちょっとした塀なら簡単に上がれます。さらに、細い枝や塀の上などはもちろん、近年では住宅地や繁華街などで器用に電線を渡る姿もしばしば目撃されています。


◆◆

雨どい登りや電線渡りなど、ハクビシンのアクロバティックな行動を可能にしているのが、短いけれど特別な肉球を備えた足と長い尾です。

ハクビシンの足は物をつかむことができるうえ、さらにそこにはスーパーな肉球を備えています。
イヌやネコの肉球はクッション性に富んでいて、さわると気持ち良いですね。一方、ハクビシンの肉球は細い枝をつかむのに適した、吸盤のように対象にフィットする独特の形状・感触になっています。これが、電線でも雨どいのパイプでもしっかりホールドできる秘密です。
前肢の肉球(左)と後肢の肉球(右)
前肢の肉球(左)と後肢の肉球(右)



また、長い尾で重心のバランスをとるので、電線のような細いルートも難なく渡れます。
綱渡り師が竿を持つようにハクビシンには長い尾が
綱渡り師が竿を持つようにハクビシンには長い尾が

さらに、ネコと同様に、頭が入る隙間なら出入りできてしまうので、「こんな狭いところが?」と思う穴や隙間もふさいでおく必要があります。高所だけでなく、穴ぐら状になっていれば地上にあるスポットも利用する場合があるので要注意です。特に戸建て住宅は、屋根裏や軒下、エアコンのパイプ穴、床下の通気口など、侵入ポイントになりやすい箇所が多いので気を付けましょう。
ハクビシンにねぐらを作らせないことは、対策のカナメです。

◆◆

ハクビシンといえば、果実など作物を食い荒らされる被害も多いのですが、その食性は雑食です。特に甘い果物が大好物。野菜や昆虫、鳥類、卵、時には小動物なども食べます。
畑や果樹の食害だけでなく、ペットフードや生ごみなど何でも食べるため、誘引物(食物)となるものを出しておかない、作物を放置しないといった対策も必須です。

また、エサ場の近くにねぐらを求める習性があるため、食害から家屋侵入や巣作りによるフン害などへと被害を拡げないためにも、ハクビシンを見かけたらその場でしっかり追い払いをしましょう。

対策をしても出没する場合には、専門の業者に駆除(有料)を依頼することも可能ですが、ハクビシンにとって好ましい環境のままだと次の個体が出没しますので、まずば出没の原因について対策を行いましょう。
すでに地域で目撃情報が出ている場合は、町内会や地域ぐるみでまとまって、上記のさまざまな防除対策に取り組むことがより有効となります。

ちなみに、ハクビシンはこのように見た目が可愛らしい魅力的な小獣ですが、寄生虫や病原菌が潜んでいることもあるため、近づいたり触ったりしないようにしましょう。


餌付け、ダメ、ゼッタイ!
餌付け、ダメ、ゼッタイ!

ハクビシン対策の詳細についてはこちらも併せてご覧ください。
■ハクビシン対策について(仙台市ホームページ) 〈別画面が開きます


写真提供:仙台市八木山動物公園

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