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秋の星を探してみよう!【サロン講座】

投稿日:2021年11月09日(火)

このイベントは終了しました。

たまきさんサロンスタッフです。
10月23日(土)に「秋の星を探してみよう!」と題してサロン講座を開催しました。
講師には天文ボランティア「うちゅうせん」で代表をされている永井 秀男さんをお迎えし、同じく「うちゅうせん」の乗組員 近藤 百合さんにもお手伝いいただきながら、星についてのお話、光害(ひかりがい)のことなど、たくさんのことを教えていただきました!
 


今回、講座当日の夕方頃までは降っては晴れ、降っては晴れるというような天気に、ハラハラドキドキ振り回されたものの、天体望遠鏡を使った星空観察も予定通りに行うことが出来ました!
講師の永井さんも久しぶりだとおっしゃるほど、なかなか晴れてくれることは少ないようです。しかし、昼間の天気の様子からいつまた雲に隠れてしまうかもわからないため、お話を聞いてから星空観察をする予定を急遽変更し、参加者の皆さんにも先に見ていただくことになりました。
 
 
 
 

実際に天体望遠鏡を覗いて、土星の環や木星、その周りをまわっている衛星などを観察することが出来た子どもたちからは「見えた!」と喜びの声が上がっていました。大人も子供もワクワクしながら、楽しみながらしばし観察。スタッフも参加者に混ざって少し見させてもらいましたが、実際に見えるとやはり嬉しいものですね!
 

夜空に見える「木星」・「土星」・「金星」
後日、永井さんが撮られたものをいただきました!

星空観察の後は屋内に戻り、改めて今回の講座のはじまりです。
まず始めは、地球についてのお話から。
地球の周り、地上400qでは人工衛星などが絶えずぐるぐると回っています。
永井さんから30pに縮尺された地球儀において、地上400kmの高さはどのくらいかを聞かれた子どもたち。その答えは4pや5pといった答えが多かったですが、正解は地球儀の表面からはわずか約8o。本当にすぐ近くのところを回っていることになります。
 
 

人工衛星は90分ほどで地球を一周しています。朝方か夕方にしか見ることはできないそうですが、インターネットで検索してみると大体の日時を知ることができるそうです。

それに対して地球の周りをまわっている月は、どのくらい距離が離れたところを回っているのか、柄杓を月に見立てて予想してもらいましたが、正解はその距離なんと9m。
実際の大きさと距離を考えてみたところで、想像するのは難しいですが、地球儀上の縮尺でも会場内スクリーンを前方に、一番後ろの壁際まで届いてしまうような距離でした。
 
 

27.3日かけて地球を1周している月ですが、地球自体も太陽の周りをまわっているので、満月から、次の満月になるまでには29.5日かかっています。この満月から満月を暦としていたものが旧暦(太陰暦)だそうです。

ここからは、秋にみられる星についてのお話です。
秋には特別目立つ星というものはないそうですが、夏の星も冬の星も見ることができる季節です。秋の四辺形と呼ばれているぺガスス座やアンドロメダ座などの他、1年中見ることのできるカシオペア座も、秋の空ではより高く上がるため、他の季節に比べると見つけやすくなるそうです。
 
 

参加者の皆さんにも見てもらうことが出来た土星と木星ですが、木星は410年ほど前にガリレオによって発見されたガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星を持っている、地球の11倍ほどの大きさの惑星です。土星は地球の9倍ほどで木星よりは小さな惑星ですが、大きく目立つ環が特徴的です。この土星の環について2017年、無人探査機の最後のミッション(グランドフィナーレ)で土星と環の間を周回した時、環から雨が降っている事が判り、氷と岩石の集まりと思われていた環が、実は氷だけらしい事と、氷が解ける事で1億年後には溶けて環が無くなってしまうらしい?事が予想されるそうです。 
 
 

ちなみに、今年2021年の11月19日、天気が良ければ仙台でも部分月食が見られます!太陽光を浴びている地球の影に、月が100%すっぽり隠れることを皆既月食と言うそうですが、11月の部分月食では、隠れる部分があとわずか2%程足りず、ギリギリ皆既月食にならない珍しい月食となるそうです。
仙台では16時18分頃部分月食の始まりとともに月の出となり、その後18時3分頃には食の最大を迎えます。19時47分頃には部分月食の終了となりますが、その時間、可能であれば空を眺めてみてはいかがでしょうか?
2022年の11月8日にも月食を見られるチャンスはあるそうですが、ぜひ見てみたいものですね!

「くさりにつながれたお姫さま」という星座物語のお話もありました。
 

このお話は、海で起きている異変をなおすため、おばけクジラという怪物の生贄になろうとするお姫さまのお話です。お話の中には、姫であるアンドロメダや母のカシオペア、父のケセウス、生贄となった姫のもとへやってきて、最後にはおばけクジラを倒し、鎖を外してくれるペルセウスなど、いくつもの星座の名前が出てきます。子どもたちも出てくる星座の数を数えながら真剣に耳を傾けていました。

最後は、光害(ひかりがい)についてのお話です。
光害とは、過剰または不要な光によって起きている環境への悪影響の1つです。
都市部に限らず夜空が明るくなることで、星が見えづらくなったり、蛍など動植物の生態系を混乱させたりする場合もあり、過剰な光はエネルギーの無駄遣いにも繋がります。
様々な影響がありますが、高度な工業化社会があり、より多くの人々が密集して住む大都市が多い、アメリカやヨーロッパ、日本などで特に深刻だと言われています。
 
 

400km上空から撮影された世界地図や日本の姿を見てみても、やはり大都市と呼ばれるような場所では、他の場所と比べるとより一層明るく感じられ、いかに宇宙まで光が届いているのかが見て取れます。
今から10年前、2011年の震災の前後で取られた衛星写真を見てみても、仙台・宮城をはじめとした東北地方、その他の地域でも普段との明るさの違いがよくわかりました。
 
 

工業化が進むことは、経済的にも街の発展や日々の生活向上にも繋がり、とってもいいことです。しかし、そのことによって今までたくさんの星を見ることが出来ていた場所でも、見える星の数が減り、蛍などの生き物にとっては求愛行動すらも難しくなってしまうこともある。

照明は地上を照らすものであり、夜空を照らすものではない。星空を失わないためにも、照明の正しい使い方や光害(ひかりがい)という言葉を知るきっかけとなれたら嬉しいです。スタッフもムダな明かりをいかに少なくできるか、出来ることから少しずつ始めようと思います。

参加してくださった皆さん、講師を務めてくださった永井さん、お手伝いいただいた近藤さんありがとうございました。
以下紹介しきれなかった写真です。※クリックすると拡大されます。
 
   
 
   

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