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生きものこぼれ話 令和5年度「ヨシ刈り体験・生きもの観察会」を開催しました!

投稿日:2024年02月29日(木)

R5 ヨシ刈り体験・生きもの観察会レポート サムネ

地や水辺で見かけるヨシの群生・ヨシ原では、微生物から鳥類・哺乳類まで、たくさんの命が育まれています。
ヨシ原が生きものたちにとって住みやすい環境であるためには、秋から冬にかけて枯れるヨシを除去して新芽の発育を促す「ヨシ刈り」という作業が不可欠となります。
そこで、2月17日(土)に「杜の都の生き物語〜ヨシ刈り体験・生きもの観察会〜」を開催しました。
ヨシ刈りは「せんだい農業園芸センター みどりの杜」(以下、「みどりの杜」)で、野鳥の観察はそのお隣、市内有数の野鳥スポット「大沼」で行いました。

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当日は「みどりの杜」の加工棟に集合し、所長の坂本さんによる開会あいさつ、そして講師紹介に続き、仙台市環境共生課の職員から生物多様性保全に関する市の取り組みと、ヨシやヨシ原などについてお話ししました。
講師陣
講師陣:左から安島さん(潟Gコリス)、坂本所長(せんだい農業園芸センター みどりの杜)、鴨田さん(潟Gコリス)

環境共生課からのお話
環境共生課職員による生物多様性やヨシについてのお話


お話のあと、加工棟の外に出ると、野鳥観察の部の講師、潟Gコリスの安島さん・鴨田さんによって単眼鏡がセットされていました。ちょっとだけ野鳥を観察をしたら、ヨシ原に向かって出発です。

ハヤブサ観察
お隣の電波塔で憩うハヤブサを観察


* * *

これがヨシ原です。このみっしり生えている枯れたヨシを刈り取ります。
ヨシ原では、仙台市の鳥・カッコウの托卵先として知られるオオヨシキリなどが巣作りをします。つまり、近年その声を耳にする機会が減っているカッコウを呼び戻すには、ヨシ原が健全に保たれている必要があるのです。

ヨシ原
刈れたまま放置すると次世代の新芽が出ない

まずは坂本所長から、鎌の使い方、作業の注意点など、ヨシ刈りのやり方を教わり、いざ、ヨシ刈りスタートです!
坂本所長によるお手本
坂本所長によるお手本

鎌の貸し出し
ちょっと緊張、鎌の貸し出し

急斜面を降りてヨシ原へ
急な斜面を降りてヨシ原の中へ

ヨシ刈る人々
子どももおとなも夢中で刈り取り

小さい子もヨシを運んだり束ねたりと大活躍 
小さい子もヨシを運んだり束ねたりと大活躍

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よく似たヨシとオギの違いを茎で見比べる

作業の合間にテントウムシ発見
作業の合間にテントウムシ発見

たくさんの刈られたヨシが次々と集まってきます。
昔は茅葺屋根などでよく使われていたヨシですが、ここで刈り取ったヨシは垣根や門にするなど「みどりの杜」各所の整備に使われるとのことです。「よしず」などヨシの活用例のお話もありました。
刈ったヨシと所長実演
「こうやって茎をカットするとコースターに」

ヨシ活用例「垣根」
刈り取ったヨシを使った垣根

* * *

ヨシ刈り体験の次は、ヨシ原の外側に広がる大沼の遊歩道に移動しての生きもの観察会です。移動する前に、講師の安島さん・鴨田さんから双眼鏡の使い方を教わります。さっそくモズが寄ってきました。
双眼鏡使い方
各自、太陽を直視しない方角を向いて双眼鏡を調整

寄ってきたモズ
人の動きに反応して地中から出てくる虫を狙うモズ

ヨシ原の外周に沿って延びる大沼の遊歩道に出て、北に向かいながら観察開始です。
快晴のもと、のどかな風景がひろがります。……が、実はちょっと残念なことが。

例年の大沼なら、北への渡りを控え、種類も羽数もたくさんの渡り鳥がいるはずだったのですが、今期は暖冬だったことが影響したのか、大部分の渡り鳥が早めに北方に旅立ってしまったのだそうです。
それでも、観察していると、いろいろな鳥たちが見えてきました。単眼鏡でオオハクチョウをじっくり狙ったり、双眼鏡でマガモやカワウを見つけたり、のんびりと大沼に憩う鳥たちを観察しました。
バードウォッチング@大沼
例年よりも静かな水面をじっくり観察

オオハクチョウ・ファミリー
まだ残っていたオオハクチョウ一家


* * *

観察を終えた後は、加工棟に戻って講師の安島さんらによる振り返りを行いました。
この日見つけた鳥について、名前や姿を確認していきます。
観察後の振り返り
配布資料や図鑑を使って確認

冬の渡り鳥が減っていたということでしたが、観察会の前にはハヤブサやモズにも出会えたほか、オオハクチョウやマガモ、ハシビロガモ、ミコアイサ、オオバン、カンムリカイツブリ、カワウ、トビなどたくさんの鳥を見る事ができました。
ちなみに、講師の安島さんはこの日、全部で23種類の野鳥を確認したそうです!
実は私たち、さまざまな野鳥に出会っていたのですね。安島さんからは、最も身近な野鳥であるスズメやカラスについてのちょっと気になるお話も伺いました。

最後に、坂本所長から、「みなさんがヨシを刈ってくださったので、今年の夏には青々としたヨシ原に育つと思います」とのお言葉をいただき、閉会となりました。

ヨシ原には、たくさんの命を育むだけでなく、土壌や水質を改善する役割があります。生きものと人のいとなみとをつなぐヨシを切り口に、「ヨシ刈り=人がかかわること」によって維持される生態系を体感した一日となりました。

* * *

今回、加工棟からヨシ原に向かう際に通り抜けた「みどりの杜」の梅園は3月中旬が見ごろだそうです。また、四季折々の花やハーブ類、そこに共生するさまざまな生きものに出会えますので、季節ごとにぜひ、訪ねられてみては。
開花待つウメ
開花が待ち遠しいウメ

* * *

ヨシ原に生息するオオヨシキリの特徴的な鳴き声を聴いてみませんか。
せんだい農業園芸センターと荒浜で採録された「オオヨシキリのいる音風景」をお楽しみください。
↓  ↓  ↓
■音源ダウンロード
https://www.tamaki3.jp/wildlife/sound/index.html
⇒スマートフォンの着信音やアラーム音などの私的利用にご使用いただけます。

こちらもどうぞ!

■関連動画
せんだいTube〈せんだいE-Action〉仙台市の鳥「カッコウ」ってどんな鳥?
⇒伊達武将隊が大沼へ野鳥観察に参上!

■生きもの動画チャンネル
https://www.tamaki3.jp/wildlife/movie/index.html
⇒日本一美しい声で鳴くカジカガエルなどの生きもの動画

■生きもの生息地マップ
https://www.tamaki3.jp/wildlife/map/index.html

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